こんなん書きました。

日々の雑感をつらつらと。あるいは手に入れたアイテムのオススメなポイント、運用方法などをご紹介してみたり。

こんなん書きました。
バーミキュラ本社の取材記事、後編。
前編ではバーミキュラというブランドの成り立ちと特長を中心に紹介した。
後編である今回は、同社の新主力製品「オーブンポット2」の発売によって可能になった「リクラフトプログラム」を掘り下げている。
 

バーミキュラのサポート戦略 顧客の鍋を「造り直す」その真意:日経クロストレンド(この記事は2024年4月17日 10:32まで無料登録せずに読めます) 

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01429/?gift=ukIzJKalpuHxs9KNSlMiIWbIQ1qjAC2JxilQU%252Fo2M1g%253D&n_cid=nbpnxr_gift

xtrend.nikkei.com

 
自分が使っている製品を返送してホーローコーディングをやり直してもらうサービスが「リペアプログラム」だ。
「リクラフトプログラム」は文字通り、再度作り変えてもらうサービス。
たとえば初期型のオーブンポットから、オーブンポット2へのリクラフトも可能だし、その際にサイズや色を変更することもできる。
サイズが変われば必要となる素材の量にも増減が生まれるから、リクラフトではリペアのように預けた製品が個別に作り変えられるわけではない。
複数のユーザーから返送された製品をグループ化し、それを再溶解して新たな製品へと作り変えるのだ。
 
バーミキュラの製品はただの鋳鉄でなく、複数の素材を配合して作られている。
それぞれの素材の分量や配合する順番などには厳密な決まりがあり、それを外れると不良品の山となってしまう。
原材料や電気料金の高騰からの値上げに対してユーザーから届いた意見をきっかけにその製品づくりの根本を見直すことで、素材の配合などのルールを改善。
素材の再利用などを可能にすることでコストを下げ、値上げから一転して今度は値下げを実現。
さらにそこからリクラフトの可能性を引き出した。
 
一般的な企業だったら「値上げやむなしとして決断したことだから」と届いたユーザーの意見を一蹴してしまうことが大半ではなかろうか。
この「立ち止まって企業が自らの足下を見直す」ことがどれだけ難しいことか。
さらりとやってのけ、さらにこれが新たな主力商品「オーブンポット2」の誕生にもつながるというところにドラマを感じる。
リンクを貼った後編の記事では、その辺りのことを書いている。
 
バーミキュラの製品を買うならば、オーブンポットもフライパンも、ぜひ実演を見るか、自ら体験してみてから買うのがおすすめだ。
特にフライパンはコーティングのフライパンではタブーとされてきたようなことがマストで求められたりするので、実際に見て納得した方がより上手に使いこなすことができるはず。
その「体験」ができたのが名古屋のバーミキュラビレッジだったり、代官山にあったバーミキュラハウスなんだけれど、残念ながら代官山は移転のため休業してしまった。
どこに行くかはすでにほぼ決まってはいるものの、その移転先の事情で詳細はまったく情報を出せず、ただその時期だけを「2025年夏」としている。
ただ、バーミキュラの公式サイトにある取扱店リストを見ると、「認定スタッフ常駐店舗」が示されている。もしかしたら、それらの認定スタッフがいる店舗なら体験してからの購入ができるのかも。

www.vermicular.jp


 

バーミキュラと幼少期の思い出にある「匂い」の話。

こんなん書きました。
調理器具ブランド「バーミキュラ」を展開する愛知ドビーの取材記事。
今や名古屋市の観光スポットにもなっている「バーミキュラビレッジ」での社長、副社長へのインタビュー、それに、本社の鋳物工場も取材させていただいた。
バーミキュラというブランドの誕生、世界でも類を見ない「購入した製品を新製品や違うサイズに作り変えてもらう」というリクラフトプログラムの背景など、いろんなことを聞いて、前後編の2回でまとめてある。
オーブンポットでもフライパンでも、バーミキュラの製品を買うと、その製品を使って作る料理を網羅したレシピブックが同梱されている。
そのレシピブックにもバーミキュラ誕生の経緯は書かれているんだけれど、やはりインタビューで聞く生の声はそれ以上にさまざまな情報が含まれていて、ホントに楽しかった。
 
代官山にバーミキュラハウスがオープンしたときのメディア内覧会で見た高性能なフライパンへの驚きと、そのときにお土産にもらった10cmサイズのオーブンポットのスゴさで一気に惚れ込み、担当編集者の平野さんとともに、「いつかは工場の取材したいよね」と話し合っていたのがついに実現した形。
バーミキュラハウスの取材が2021年12月だったから、記事が形をなすまでに、2年半もかかってしまったことになる。
 

xtrend.nikkei.com


 
祖父が作った鋳物工場がピンチだとまず兄であり社長の土方邦裕氏が愛知ドビーに入社。
さらに弟であり副社長の土方智晴氏を誘い、2人でなんとか収益を向上させはしたけれど、下請けという業態を続ける以上、抜本的な解決には至らない。
何より、そこで働く職人たちにドビー機を作るメーカーだった当時のような輝きがない。
そんなときに訪れたのが、ネットの普及によるECサイトの隆盛だ。
これを活用すれば、販路を開拓せずとも顧客に直接製品を届けることができる。
ECサイトがうまく活用できれば、職人たちが「これが自分たちが作っている製品だ」と誇りを持てるような製品を作り、直接に顧客に届けることができるのではないか?
そう考えてオリジナルの製品作りがはじまるわけだ。
なんつぅか、バーミキュラの成り立ちから今に至る話って、もうホントにドラマチックなんだよね。
 
話はそれるが。
私は祖父母の家があった川口市で生まれ、小学校に上がる直前までそこで過ごした。
当時はまだ周囲は鋳物工場だらけで、鉄を溶かしたときの独特の匂いが始終あたりには漂っていた。
が、見る見る鋳物工場はその数を減らし、アパートやマンション、スーパーなどへと変わっていった。
1997年から約10年のあいだ、その祖父母の家だったアパートの一室に暮らしていたが、その間にも工場はどんどんと減り、あの独特の匂いもわずかに残った工場の周辺だけに漂うものとなってしまった。
当時でさえ「鋳物の街」「キューポラのある街」なんて呼ばれたことは遠い過去の記憶となってしまった感があったが、今ならさらに、だろう。
実のところ、今回の取材では、幼少時の記憶に付随した「あの匂い」をかげることに少し期待していたところがある。
 
愛知ドビーの工場では確かに似た匂いがした。
が、正直なところ、記憶のそれとはちょっとだけ違っていたのだな。
愛知ドビーの工場は、川口にあったものよりも大規模で、各工程の作業場が独立していた。
さらにいえば、換気なども比較にならないほどしっかりしていた。
その違いを知ってはじめてわかったのが、記憶にあったあの匂いは、鉄を溶かしたときの匂いであり、金属を鋳型に流し込んだときの匂いであり、できあがった製品を削って仕上げるときの匂いであり、つまりは鋳物を作るすべての工程で発生する匂いであり、それらが複雑に混じり合って生まれたものだったのだ。
 
これ、有料記事、なのかな? もしかしたら無料のID登録だけで読めるのかもしれないけど、いずれにせよ以下のリンクからだと約24時間だけIDの必要もなく無料で読める。
時間はかかっちゃったけど、頑張って書いたので、おひまなときにでも、ぜひ。
あ、後編は明日、16日火曜の公開です。
 
「一生使えるホーロー鍋」 バーミキュラの葛藤と前代未聞の答え:日経クロストレンド(この記事は2024年4月16日 12:12まで無料登録せずに読めます) https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01427/?gift=Yz%252Fd1cBC7b%252FR7REr5Oca3dM1NUm2PG3edcqL2isUnN0%253D&n_cid=nbpnxr_gift

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唐突に2023年振り返り。「コタローは1人暮らし」

もうだいぶ経っているけれど。
昨年、「コタローは1人暮らし」がコミックス第10巻をもってついに完結を迎えた。

コタローは1人暮らし(10) (ビッグコミックス)
最後まで「好きになれない人がひとりも出てくることがない」まま、物語は見事に幕を閉じた。
本編最終話はなんとかこらえたのだが、描き下ろしの追加エピソードに負けた。
これは泣く。
 主人公の狩野は30代半ばでありながらなかなか芽が出ない、しかし受賞歴を持つ漫画家。
その狩野が住む風呂なしアパートの隣室に、ある日、コタローと名乗る少年が越してくるところからはじまる物語だ。
4歳児とは思えないほどしっかりし、タイトル通りに未就学児でありながら、親もなく一人暮らしをはじめるコタロー。
そのコタローにはいくつものちょっと変わったところがある。
なぜコタローは高級ティッシュペーパーを使うのか。
なぜコタローは何紙もの新聞を取り続けるのか。
なぜコタローはアニメ番組の主人公である「とのさまん」を真似た“殿様語”で話すのか。
物語が進むにつれ、こういったコタローのあれこれとともに、コタローが一人暮らしをはじめるに至った経緯が、少しずつ、ほんの少しずつ明かされていく。
原作について言うならば、はじめの頃はちょっとあざとさが目についたりもする。
けれど、そこは好みもある部分だろう。
きちんと伏線を畳んだ、悪くないエンディングだった。
この作品は実写ドラマにもアニメにもなっていて、奇跡的なことに、それらどっちもがよくできている。というか、むしろアニメよりも実写ドラマのほうが数段素晴らしい。
これはもう、ひとえに配役の勝利。
漫画家としてまだ芽は出ていないが、担当編集者から物語の構成力だけはほめられる漫画家の狩野というキャラクターを演じているのは、関ジャニ∞横山裕
ぜんぜんアイドルに見えない顔立ちなのだが、この人がホントにはまり役なのだ。
強くありたいと願うコタローに友達のように、でもあくまでもおとなとして接し、見つめ、そしてコタローの行動が持つ意味に「気づく」。そんな狩野を横山は好演している。
実写版はシーズン2として「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」も作られ、こちらもおもしろい。
しかし、主人公を演じる子役・川原瑛都くんが成長してしまってコタロー役に無理が出てしまっているのが惜しい。
想像力というフィルターでシーズン1当初の姿を重ね合わせて映像を観るという観客側のスキルが問われる作品になってしまっているのがなんとも残念だ。
倫理的な面など技術以外のところにこそいろいろ難しい問題を抱えている気はするが、今後、AIによるCGがこうした時間の経過という不都合を覆い隠していくことになるのかもしれない。

【実写ドラマ版】
「コタローは1人暮らし」-Netflix
【実写ドラマ版・シーズン2】
「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」-Amazon PrimeVideo

【アニメ版】

ルー・リードとビロード革命。 ~『映像の世紀バタフライエフェクト「ヴェルヴェットの奇跡 革命家とロックシンガー」』~

ちょこちょことCATVのSTBにつないだHDDの整理とバックアップを進めている。
「こんな番組が放映される」というネットの情報に触れたときに、何か引っかかるものがあれば、いつ見るとはなしに録画予約をする、ということを続けていて、気づけば30くらいの番組がHDDにたまっていた。
どうでもいい話だが、録画に使っている2.5インチのHDDは、PS4 Proから外したもの。USBの外付けケースに入れてこれを録画用としているわけだ。
2.5インチのHDDはUSBのバスパワー、5V1Aで駆動するから別途電源を用意する必要がなく、配線がシンプルになってよい。
録りだめた番組は音楽のコンサートを収録したものが多いのだが、なかにはいくつかドキュメンタリーも混じっている。
そのひとつが、これ、『映像の世紀バタフライエフェクト「ヴェルヴェットの奇跡 革命家とロックシンガー」』だった。

https://www.nhk.jp/.../ts/9N81M92LXV/episode/te/WKRMK8NPRK/

プラハの春も、ビロード革命も、学校の授業ではなく、小説を中心としたいろんな著作物などを通してうっすらと、本当にうっすらと知ってはいたけれど、その背景にルー・リードのバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドがここまで大きく影響していたとは。
きっかけは後のチェコスロバキア大統領、さらにチェコ共和国初代大統領にも就任する劇作家のヴァーツラフ・ハヴェル
彼が書いた戯曲『通達』が1968年にニューヨークで上演されることになり、訪問していたアメリカからヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムを買って帰ったことに端を発するのだそうな。
ハヴェルが持ち帰ったヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムはチェコスロバキア国内でコピーされまくったという。
ゲイであることを公言していたルー・リードが書く自由に満ちた曲の数々は、プラハの春ワルシャワ条約機構軍を介したソ連の軍事侵攻によって潰えて以降、共産主義体制下で抑圧されていたチェコスロバキアの若者たちを魅了。
「プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニヴァース(The Plastic People Of The Universe / PPU)」という反体制派を象徴するようなバンドも生み出した。
ハヴェルやPPUのメンバーは当時の政府に逮捕されたりしながらも表現の自由を勝ち取るための活動、人権運動を止めなかった。
こうしたアンダーグラウンドな活動が結果的にビロード革命へと繋がっていくのだな。
大統領となったハヴェルは革命の翌年である1990年、アメリカの雑誌からインタビューを受ける際にインタビュワーにルー・リードを指名。ハヴェルがヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムをチェコスロバキアに持ち帰ってから20年あまり。ここではじめてリードは自分の音楽がチェコの革命に一役買っていたことを知ったそうだ。
ハヴェルとリードは終生交遊を深め、1998年にハヴェルがホワイトハウスへ招待された際には晩餐会においてリードの演奏をリクエスト。これに応えてリードはホワイトハウスで自分たちの曲を演奏したとのこと。
この辺りのやり取りはクーリエ・ジャポンにもまとめられていた。
無料のID登録さえ済ませれば全文を読むことが可能だ。

courrier.jp


日本語でいうビロード革命は、英語では「Velvet Revolution」。
起点となった軍事介入等を除けばほぼ無血でビロード(ヴェルヴェット)のように滑らかに成就した革命、というのがこれまでの知識だったが、番組内で明言こそされていないけれど、その名称にはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの存在もなかば直接的に影響してたわけだな。
おもしろかった。
こういう番組を作れるところがやっぱりNHKのスゴさであるよ。
受信料を払っていることを満足させてくれる、こういう番組を作り続けて欲しいなぁ。

釣りと料理の共通点。プロセスを楽しむということ。

シェアした先で「料理を好きな釣り師は信用できる」と書いてあるけど、全面的にそれを肯定することが私にはできない。
釣りを通じて知り合ったなかで私がもっとも、というか、唯一軽蔑している人物はイタリア料理店のオーナーシェフなんだよね。
ま、例外中の例外がたまたま、という不幸なケースじゃないかという自覚はある。
 
それはともかく。
キャッチ&リリースしかしないってケースでも、私の周囲を見回してみるに、釣りを楽しむ人は料理ができるケースがそもそも多い気がする。
料理ができるかできないかで言えばできる人ばっかりだ。
外遊びのときには自分のご飯くらいなんとかできなたほうが、楽しみが増すこともあるしね。
釣り友達の大半は料理ができる。これには釣りも料理も楽しさの構造がとても似ていることが大きく影響していると思う。

釣りたい魚、シチュエーションを想像して道具を買い揃える。
釣行日程を立てる。
季節や天候、場所に応じた道具を用意する。道中の空を見上げて1日の天気を推し量る。
釣り場の状況に合わせて仕掛けや糸の先に結ぶ毛鉤、ルアーを選ぶ。
釣れたら釣れたことを喜ぶ。
釣れたパターンを考えて、さらに釣果を伸ばす方策を考える。
釣れなかったら帰り道、「なぜ釣れなかったか」を考え、「次はこう対応しよう」と策を練る。
道具の後片付けをする。あるいは後片付けは先延ばしにしてふて寝する。

釣りって遊びを乱暴に分解してみるとこんな感じだろうか。
こうして並べてみれば明らかなんだけど、釣りって遊びはただひたすらにこれらの繰り返しであり、私ら釣りを楽しむ人はたいていがこれらひとつひとつの要素をどれも楽しんでいる。

釣れないよりは釣れたほうが楽しいのはもちろんだ。
しかし、釣りという遊びにこれから染まっていく初心者ならともかく、ずっぽりと首まで浸かった人間にとっては、「釣れたかどうか」は一連のルーチンにおけるほんの些細な分岐条件のひとつに過ぎない。そもそもが、だ。プロセスを楽しめない人は、結果の如何で継続性が左右される。「釣れないからやらない」って人は「趣味は釣りです」と言えるほど、釣りという遊びを長く続けない。結果の如何に関わらず、過程と、さらには結果が出た後に楽しみを見出した人だけが釣りを趣味としていくのであるよ。もっとも、私の周りには釣りの合間に仕方なく人生を送っているような人ばっかりな気がしないでもない。はたしてそれらの人にとって、釣りを「趣味」と呼んでいいのかどうかは大いに疑問の余地がある。

話がそれた。

料理って行為を考えてみるに、けっきょくは出口に「食べる」というクライマックスが待つ、プロセスを楽しむ行為なのだと思う。
食べたいもの、作りたいものを考えて材料を揃えるところからはじまって、食べるという行為でいったんは完結。うまくいったらそれを喜び、失敗したら反省を次に活かすことを考える、というループを楽しむわけだ。
もちろん「家族のため」とか、あるいは「仕事」としてとか、「義務」として「やらされている」ために、「楽しみなんてひとつも感じない」っていう人はいるだろう。
そういったケースを除いて考えるなら、「失敗したからやめる」と思わない人は、釣りと同じように結果の如何に左右されず、「できるまで続ける」。
料理をする人、できる人は、やっぱり「プロセスを楽しめる人」なのだと思う。
 
そういえば、自身を「料理をしない人」と称していながら、1万6千円以上、専用の蓋をつければ約2万円という超高級なフライパンの購入をずっと悩んでいる人がいる。
れはもう立派に料理という行為に楽しみを見出している「料理をする人」だと思うのだが。
考えてみると、その人は釣りこそしないがやっぱり「ものをつくる」というプロセスを楽しむ趣味を持っている。
もちろん「プロセスを楽しめる人」だからとすべてが釣りや料理を楽しいと思うかは別の話ではあるけれど、傾向に大きく影響することは間違いないんじゃなかろうかね。

LTVって言葉、知ってる?


LTVとは、Life Time Valueの略で、日本語では顧客生涯価値、みたいな言葉が当てられている。
その人がそのサービスを使い続け、ユーザーでいるあいだに得られる価値、みたいなこと。
ナニゴトにおいても「選択肢が腐るほどある」のが現代の特徴で、エンターテインメントだけでなく、あらゆるものが「顧客の持つ有限の時間を奪い合う」のと「選択してもらう」ことを至上命題としている。
「選択肢が多い」ということは「選んでもらう」ことの難しさにも繋がっていて、何を選んでも大して変わらない、とか、選択肢がありすぎて存在に気づいてもらえない、みたいなことが往々にして起こりがちなのだ。
 
であれば、だ。
選ばれたからにはきちんと顧客に楽しみなどの利益を与え、ずっと使い続けてもらうことが、結果的には利益の確保という点でより効率的、という話が生まれてくることは半ば必然と言える。
ユーザーとしての経験が豊かであれば、それは良質の口コミを生んで、新規顧客獲得にもつながっていき、数ある選択肢のなかでの差別化を生み、最終的には「選んでもらえる状況」につながっていくからね。
 
「顧客を飽きさせないよう、お金を払うに足ると思える体験と刺激を提供し続ける」ことは今後、今まで以上にとても大事なことになっていくと私も思う。

ちなみに、LTVと同じような考えで掴んだエンジニアをどれだけ長く囲い込めるかに注力してるのが、パールアビスジャパンというゲームメーカー。

■■――
【パールアビスジャパンの福利厚生(一部)】
食費支援
誕生日お祝い金
歯科治療支援
不妊夫婦支援
家事掃除支援
養育支援金
 たとえば専用供給業者が週に2回も新鮮な野菜やフルーツをオフィスに届けてくれる“パントリー運営”や、入れ歯やインプラントまで含んだ“歯科治療費支援“、ひとり暮らしの未婚社員が部屋の整理や掃除をプロに頼める“家事掃除支援”などなど。その項目数は軽く10を超えていた。
『黒い砂漠』運営会社は福利厚生の鬼。不妊治療支援やお小遣い制度があるパールアビスジャパンの戦略と社風を代表に訊く「優れた発想は安定した生活から」
――■■
 
社内の事情に直結しすぎてて書けないものとかがあって、ここに挙げたのはごく一部。「働き続けることのメリット」を最大限に活かすため、結婚、出産、幼稚園や保育園への入園、小中高大学への入学・進学など、人生の節目節目に会社がお祝いを出すのだ。同時に家事支援、食事支援といった、単身者へのサポートが手厚いのもスゴい。

パールアビスジャパンとは逆に、そういう点で昔からちょっとどうかと思っているのが携帯電話会社の施策。

新規顧客獲得のために「入ってくる人」に対するオマケは大盤振舞だけど、長期のユーザーに対するリターンがあまりに少ない。
サブとしてドコモやSoftBankUQなどほかのキャリアと契約したことは何度もあるけど、メインの回線はtu-kaからはじまってそのままauと使い続けてきている私の実感として、使い続けるメリットを提供するといった、「一度掴んだ顧客を奪われない努力」があまりにおろそかになってないかなぁ、と強く思うのだ。
それでもここ10年でだいぶマシになった気はするけれど、マシになってコレか、とも思ったり。

LTVって言葉、知ってる?


LTVとは、Life Time Valueの略で、日本語では顧客生涯価値、みたいな言葉が当てられている。
その人がそのサービスを使い続け、ユーザーでいるあいだに得られる価値、みたいなこと。
ナニゴトにおいても「選択肢が腐るほどある」のが現代の特徴で、エンターテインメントだけでなく、あらゆるものが「顧客の持つ有限の時間を奪い合う」のと「選択してもらう」ことを至上命題としている。
「選択肢が多い」ということは「選んでもらう」ことの難しさにも繋がっていて、何を選んでも大して変わらない、とか、選択肢がありすぎて存在に気づいてもらえない、みたいなことが往々にして起こりがちなのだ。
 
であれば、だ。
選ばれたからにはきちんと顧客に楽しみなどの利益を与え、ずっと使い続けてもらうことが、結果的には利益の確保という点でより効率的、という話が生まれてくることは半ば必然と言える。
ユーザーとしての経験が豊かであれば、それは良質の口コミを生んで、新規顧客獲得にもつながっていき、数ある選択肢のなかでの差別化を生み、最終的には「選んでもらえる状況」につながっていくからね。
 
「顧客を飽きさせないよう、お金を払うに足ると思える体験と刺激を提供し続ける」ことは今後、今まで以上にとても大事なことになっていくと私も思う。

ちなみに、LTVと同じような考えで掴んだエンジニアをどれだけ長く囲い込めるかに注力してるのが、パールアビスジャパンというゲームメーカー。

■■――
【パールアビスジャパンの福利厚生(一部)】
食費支援
誕生日お祝い金
歯科治療支援
不妊夫婦支援
家事掃除支援
養育支援金
 たとえば専用供給業者が週に2回も新鮮な野菜やフルーツをオフィスに届けてくれる“パントリー運営”や、入れ歯やインプラントまで含んだ“歯科治療費支援“、ひとり暮らしの未婚社員が部屋の整理や掃除をプロに頼める“家事掃除支援”などなど。その項目数は軽く10を超えていた。
『黒い砂漠』運営会社は福利厚生の鬼。不妊治療支援やお小遣い制度があるパールアビスジャパンの戦略と社風を代表に訊く「優れた発想は安定した生活から」
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社内の事情に直結しすぎてて書けないものとかがあって、ここに挙げたのはごく一部。「働き続けることのメリット」を最大限に活かすため、結婚、出産、幼稚園や保育園への入園、小中高大学への入学・進学など、人生の節目節目に会社がお祝いを出すのだ。同時に家事支援、食事支援といった、単身者へのサポートが手厚いのもスゴい。

パールアビスジャパンとは逆に、そういう点で昔からちょっとどうかと思っているのが携帯電話会社の施策。

新規顧客獲得のために「入ってくる人」に対するオマケは大盤振舞だけど、長期のユーザーに対するリターンがあまりに少ない。
サブとしてドコモやSoftBankUQなどほかのキャリアと契約したことは何度もあるけど、メインの回線はtu-kaからはじまってそのままauと使い続けてきている私の実感として、使い続けるメリットを提供するといった、「一度掴んだ顧客を奪われない努力」があまりにおろそかになってないかなぁ、と強く思うのだ。
それでもここ10年でだいぶマシになった気はするけれど、マシになってコレか、とも思ったり。