こんなん書きました。

日々の雑感をつらつらと。あるいは手に入れたアイテムのオススメなポイント、運用方法などをご紹介してみたり。

BARBEE BOYS「負けるもんか」の歌詞に思うこと。

前にFacebookかどこかにも書いたんだけれども、2000年くらいを境にヒット曲の「歌詞」ってめっきり「情景」を描かなくなったように思う。
観念的な思いを訴えるものばかりで、シーンが描かれないものが増えた。
逆に言うと、それ以前の名曲って、目の前に歌われている光景がその人なりに鮮やかに甦るものが多かった気がするのだな。
その光景から聴く者は登場人物たちの想いを知る、というような構造。
たとえば爆風スランプ「月光」とか「大きな玉ねぎの下で」とかね。
BARBEE BOYSもそんな男女が絡んだ情景から登場人物たちの情念みたいなものが沸き立ってくるような曲が多い。
これはきっとコンタと杏子さんていう男女のツインボーカルていう形式も大きく影響していることではあるのだろう。
で、「負けるもんか」。
これは杏子さんが歌うところの女性の“言葉”から聞く者の脳裡に光景が浮かび上がり、つい引き込まれてしまう。その展開がなかなか見事だ。
ただね。
 

近くまで来てるのよ、泊めてくれる?
いきなりで悪いけど帰れないの。
ねぇ、いいでしょ? コインがないわ。
詳しく話すから着替えでも探してて。

(「負けるもんか」バービーボーイズ/作詞:いまみちともたか

  
この一節、「コインがないわ」っていう一言からおっさんおばさんには電話ボックスのなかで受話器に語りかける女性が思い浮かべられる、と思うのだけれど。
今の子はきっとさっぱりわからないか、ぜんぜん違う光景を思い浮かべちゃうんだろうね。
そう考えると、やっぱり「光景を描く歌詞」の場合、時間が経過したときに世代に対しての訴求力に違いてものがどうしても出てしまうのは認めざるを得ないよね。
 
貼り付けた「負けるもんか」のライブ映像は、彼らが1988年8月22日に行った東京ドーム公演のライヴ・フィルム『BARBEE BOYS IN TOKYO DOME 1988.08.22』からのもの。
今度の10月28日には1日限定のプレミア上映が全国の映画館で行われ、新宿のはチケットを買ってある。今からとても楽しみだ。
 
しかしこんなにも好かれる男すごいな。
そしてあまりにもドロドロ。

 

 

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