こんなん書きました。

日々の雑感をつらつらと。あるいは手に入れたアイテムのオススメなポイント、運用方法などをご紹介してみたり。

暑くなってくると辛いもの、食べたくなるよね。

スコヴィル値」という単位がある。
それぞれの食品、まぁ、食品でないものでもいいのだが、どれくらい「辛い」のかを数値化したものだ。
1912年にウィルバー・スコヴィルさんという化学者が考案したので「スコヴィル値」と呼ばれるワケだが、当初は人が実際に舌で味わってその数値を算出していた。
しかし、これではあまりに主観的で客観性がない。
そこで、今では味覚の「辛さ」を左右するカプサイシンという物質を機械で測定し、これを元に算出した数字が用いられている。
それぞれの食品がどれくらい辛いのか、このスコヴィル値を見ることで、カンタンに比較ができるワケだ。

これによると、ハンバーガーなどに入れられるハラペーニョは2500~8000。
「鷹の爪」「唐辛子」「カイエンペッパー」などとして身の回りに流通している“唐辛子”は3万~5万。
タイ料理なんかで使われるブリッキーヌーは5万~10万。
お菓子なんかで近年、とても知名度を上げているハバネロは、種類によっても違うのだが、だいたい10万~60万。
もうこの辺りまで来るとスゴい数字なワケだが、一時期「世界一辛い」と話題になったブートジョロキアになると、100万。
さらにそのブートジョロキアを抜いて現在世界一となっているキャロライナ・リーパーともなると、155万~220万というから、上にはトンデモナイ世界が広がっているのが、激辛道なのだ。
 
素材としてのスコヴィル値はこんな感じ、なんだけど、これが製品に活かされると、かなぁりマイルドなものになってしまう。
特にハバネロは顕著で、たとえば、タバスコブランドのハバネロソースはなんと7000~8000。スーパーに売ってる唐辛子より遙かに下だ。
ハバネロを使ったソースはタバスコブランド以外からもいろいろ出ていて、もっと辛いものはたくさんある。
が、基本的に、フルーツソースなんかと合わせたものがとても多い。
辛さと同時に、いろんな味が加味されることになるのだな。
これは想像でしかないんだけれど、ハバネロって、おそらく突き抜けた辛さはいいんだけど、野菜としての“味”がよろしくないんだと思う。
いわゆる「唐辛子」ってけっきょくはナス科トウガラシ属の“植物”なワケで、ピーマンやシシトウなんかと近く、独特の苦味を伴っているものが多い。
おそらくハバネロはその辛さ以外に、何かで誤魔化さないと済まされない雑味みたいなものがあるんじゃないだろうか。

私の場合、近年はあまりペッパーソースの類いを使うことがなくなった。
たとえばもっとも代表的な存在といえるタバスコソースは酢で岩塩と唐辛子を煮込んで作るため、辛さだけでなく、塩味と酸味まで追加されてしまう。
望みの辛さまでかけると辛さよりも塩味と酸味で味のバランスがたいへんなことになってしまう。
だいたいのペッパーソースはこういう傾向があると思う。
やっぱり料理に辛さを追加したいと思ったら、一味唐辛子がベストだろう。
なかでも私が愛用している八幡屋礒五郎の「BIRD EYE」は最高だ。

www.yawataya.co.jp
これは文字通り「バードアイ」っていう唐辛子を使った一味唐辛子
バードアイのスコヴィル値は、というと、10万~23万くらい。
唐辛子って、育てる土とかでも辛さが変わるらしく、伝え聞く数値の幅がとても広いものが多いだが、このバードアイもそう。
ものによって倍くらい辛さが違う、てことになる。
まぁ、それでもわりとハバネロに近いくらいの辛さ、ということは言えるだろう。
ちなみに前述のリンク先にもあるように、八幡屋礒五郎の「BIRD EYE」は、同社の「一味」の「3倍以上」を謳っている。
乾燥させて刻み、「一味唐辛子」として仕上げる段階でどれほど辛さが落ちているのかはわからないが、いずれにせよ、ハバネロを使ったソースのような混ぜ物はない。
 
料理にもよるが、辛くしたい料理にはこの「BIRD EYE」をどかどかと振ってしまう。
これだけかけちゃうのは、辛さが欲しいだけでなく、たくさんかけたときに辛さの向こうに見えてくる、バードアイの“味”が好きだから、ということもある。
素材としての唐辛子の味がわかること。これが私が「BIRD EYE」を気に入っている最大のポイントなのだ。
そう、「BIRD EYE」、辛いだけじゃなくて、美味しいんだよ。