こんなん書きました。

日々の雑感をつらつらと。あるいは手に入れたアイテムのオススメなポイント、運用方法などをご紹介してみたり。

あなたのライフジャケットは、国交省の承認品?

この2月1日から小型船舶、たとえば釣り船とかでは甲板上でライフジャケットの着用が義務づけられることになった。
ライフジャケットならなんでもいいか、というと、そんなことはなくて、国土交通省型式承認品でないとダメ、なのだ。
国交省の承認を受けた製品には、「桜マーク」と言われるアイコンが入っているので、ライフジャケットを持っている人は、一度、自分が持っているものを隅々まで確認してみるといい。
 

海事:ライフジャケットの着用義務拡大 - 国土交通省

http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html



ちなみにAmazonなんかでライフジャケットを検索すると「CE認定済」みたいに書かれた安価な製品がいっぱい引っかかるけど、義務として求められている「桜マーク」とはぜんぜん関係ないから、要注意。
この「義務」に関して言えば、CE認定品のジャケットは着けてないのも同じ、だからね。
 

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買って何年が経つだろう? と忘れたくても思い出せないほど年季の入った品。お気に入り。


私はフローター、フロートチューブなんて呼ばれる釣り用の浮き輪を持っていて、それで使うためのものなど、トータルで3つくらいのライフジャケットを持っている。
いちばんよく使うのは、インフレータブル、つまり膨張式のもので、非常時に炭酸ガスの力で膨張し、浮力を得る、というタイプ。
膨張式ではないライフジャケットに使われるような浮力体は、細かな気泡をたくさん持ったウレタンなどの樹脂。言ってみれば高性能な断熱材でもあって、真夏などに着用するには暑くて厳しいのだ。
その点、膨張式は普段は浮力体部分が折り畳んでしまわれているため、軽量でコンパクト。装着しているときの身体的負担がとても少なくて済む。
 
膨張式のライフジャケットは膨張する際に水に濡れたことを感知して膨張する「自動膨張式」と、自分で引き手を引っ張ることで膨らむ「手動膨張式」と、2つの形式が存在する。
また、首から提げるタイプ、腰に巻くタイプ、ベルトに装着するタイプなど、形状もさまざま。
落水したときに自動で開く自動膨張式のほうが安心ではあるが、豪雨に祟られたりすると、それだけで膨張してしまう危険性があるのが難点。
前述のように私はフローターで使うことも考えている。
水面と非常に近い状態で楽しむフローターで使うには、手動膨張式のほうが都合がいいのだ。
私が購入した当初はけっこう手動膨張式の製品も売られていたんだけれど、やっぱり手動式は売れないんだろうね。今はほとんどが自動膨張式になってしまった。
ちなみに自動膨張式にも手動膨張式と同様に膨らませるための引き手が用意されているので、万が一の際は自分の意志で膨らませることもできる。

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私のは手動膨張式なので、この黄色い引き手を“引っ張らないと膨らまない”。


インフレータブルなライフジャケットは一度膨らませてしまうと、もう2度と使えないのか、というと、そんなことはない。
浮力体に充満したガスを抜いて気室を折り畳み、炭酸ガスのボンベを取り替えれば、何度でも使い直すことが可能だ。
また、ガスでの膨張が足らないときは、自分の呼気を吹き込んで補うこともできる。
この辺りは、飛行機に乗った際に出発直前に機内で見せられるビデオを思い出してもらえばわからいやすいか。
 
さて。
では自分が持っているジャケットは承認品なんだろうか?と、FoxfireのWebページに行ってみた。
「ライフジャケットの着用義務拡大について(平成30年2月1日より)」というタイトルのニュースがアップされていたので、そこを見てみると……。
 

ライフジャケットの着用義務拡大について(平成30年2月1日より) / ニュース / Foxfire(フォックスファイヤー)アウトドア/フィッシング

www.foxfire.jp 

まさに「着用義務が拡大された」ということしか書いてなかった。
いやいや、知りたいのは、「御社製品のどれがその承認品なんでしょうか? 私の持っている御社製品は承認品なんでしょうか?」ってことだ。
 
その点、Rivalleyブランドを展開する双進は違った。
「遊漁船におけるライフジャケット着用義務改定について」と題し、自社製品のどれが承認品なのか、ちゃんと製品写真混じりで詳しく紹介している。
 

「遊漁船におけるライフジャケット着用義務改定について」

http://sohshin-fishing.jp/duty_lifejacket/

 

この辺り、それぞれのメーカーの姿勢がホントによく現れていて、おもしろい。
さすがFoxfire
ページの作りこそお洒落で垢抜けているけれど、ぜんぜん客の目線に立ってない。
 
仕方がないので、ごそごそとライフジャケットを取り出してきた。
この手のインフレータブルなライフジャケットは、承認マークは表の見えるところにはついていない。
ベリベリっと面ファスナーを剥がして気室を剥き出しにすると、そこにいろんなことが書いてある。
お。ちゃんと桜マークが入っていた。
とりあえず今のところはボートやフローターでの釣りは予定していないけど、これで慌てずに済む。

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きちんとしたメーカー品ならさまざまな情報がこうして製品のどこか記載されているはず。赤いパイプは、膨らみがたらないときに呼気を吹き込むためのもの。
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記載されている製造年によると、10年選手。ちゃんと桜マーク入りの品だった。

あ、そうそう。
この手のインフレータブルなライフジャケットでは、一度も使っていなくても、定期的にガスボンベは交換しておいたほうがいい。
YouTubeを見ると、購入後5年が経過して膨らまなかったライフジャケットの映像がアップされている。

 
購入後5年経過したライフジャケットの動作テスト、その1.開かなかった編

youtu.be


動画の中ではボンベは1年半で交換、のように言っているが、一般的にはだいたい「3年が目安」として語られることが多いようだ。
メンテナンスなどに関しては、シマノのWebページが詳しく、また分かりやすい。
 

Q&A|フローティングベストの基礎知識|アフターサービス|シマノ -SHIMANO-

fishing.shimano.co.jp


ボンベを作動させることなく気室の状態を確認する方法なども書かれているので、一読しておくといいだろう。
 
炭酸ガスのボンベが入っている場所は、引き手そばを見ればいい。
私の使っている製品だと、向かって左側の内側にボンベが装着されている。
交換する際にはどんなボンベを買えばいいか、といったことまでしっかり書かれている。実はこの辺りの装置を作っているメーカーは限られていて、つまりは交換用のボンベもあまりバリエーションが存在しない。
形式、型番さえマッチしていれば、販売元はあまり気にしなくていいだろう。
もちろん、正しいボンベを装着することは非常に大事。
ボンベの容量が違うと、破裂や膨張不足といった事態を招いてしまう。

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気室を膨張させるためのバルブはユニット化されている。交換する際は、ボンベだけでなく、緑色の樹脂製チップも同時に交換しないとならない。


さすが桜マークの適合品だけあって、非常時の際に助けを呼ぶためのホイッスルなんかもちゃんと装着されていた。

 

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人の声って状況によってはぜんぜん遠くまで届かないので、笛、大事。

と、こんなことを書いていながら、買ってからのここ10年、実は一度もボンベを交換したことがない。
ので、一応、交換用のボンベはすでに購入してあったりする。
次に使うときに、忘れずにボンベを交換しないとね。
交換するときは、古いボンベで膨らませてみよう。うん。

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これが交換用ボンベ。私のは手動膨張式なので、水濡れを検知するセンサー部分のパーツがなく、ボンベと緑色のチップというシンプルな構成。