PILOTの「フリクションボール3」、あるいは「フリクションボール4」は仕事の必需品だ。
紙媒体の仕事をしていると、校正紙に修正の指示を赤字で書き込むという作業が発生するのだが、その際に書き間違ってしまうことが往々にして起こる。
二重線などを引いて書き直すとカラーページの校正紙などは特に見づらくなってしまうところ、「フリクションボール」ならなんと“消せる”のだ。
この便利さを知ってしまったら、もう元には戻れない。
「フリクションボール」はボールペンとしての書き味は正直なところ、さして良くはない。まさに“消せる”という特長があるからこそ存在価値がある商品と言える。
なのに、だ。
「消せるボールペン」であると知って買っているはずなのにも関わらず、Amazonのカスタマーレビューなんかを読むと、真夏の車内に放置して大事な書き込みが消えた、とか、消しゴムをかけたら消えた、とか、その最大の利点に対して文句を言っている人がけっこういる。
まぁ、道具は道具であって、その便利さを活かせるかどうかは用途と使う人次第、ということなのだろう。
ちなみにPILOTのWebサイトには、消えてしまった文字を元に戻す方法が書いてある。
フリクションで書いたものを高温下に放置していたところ、書いた文字が消えてしまいました。もとに戻す方法はありますか? | よくある質問 | PILOT
私の場合、消えてしまっては困るものには「ジェットストリーム」など、「消えないボールペン」を使っている。
一昔前ならボールペンは消えないのがアタリマエであったはずが、こうして「消えない」とわざわざ断らないとならなくなってしまった辺りが21世紀だ。
愛用している「フリクションボール」の多色バージョンには、インクがすぐになくなってしまうという難点があるのだが、それともうひとつ、グリップ部分のゴムが滑らなすぎて、ペン用のポケットなどに挿すときに難儀をする、という地味な欠点もある。
また、あまりこのゴムの感触が好きになれないという個人的な好みの問題も感じていたところ、「SMART-GRIP」という商品を見つけた。
「フリクションボール3」や「フリクションボール4」、さらには「ジェットストリーム 4&1」にまで対応した交換用グリップで、アルミ素材をローレット加工したものだ。
Amazonの注文履歴を見ると「SMART-GRIP」を最初に買ったのは2016年10月らしい。
そのときはグレーを購入し、「フリクションボール4」に装着した。
シャープペンシルはもう30年以上もSTAEDTLERの製図用を愛用しているのだが、そうした製図用品のような硬質な握り心地が得られ、実に素晴らしい。
もちろん、ローレット加工のおかげでまったく滑ることはない。
以来、取材先などで使う筆記具は、この「SMART-GRIP」を装着した「フリクションボール4」がメインになった。
「フリクションボール」の多色タイプにはウッドグリップの高級バージョンも存在して、それはそれで使いやすくて気に入っているのだが、それに勝るとも劣らない使い心地だ。
1000円以上する「SMART-GRIP」は少々高価ではあるが、ウッドグリップのバージョンが2000円以上することを考えると、わりと妥当な価格と言えるんじゃなかろうか。
今回購入したのは、カメラバッグのなかに放り込んでおくためのペンに装着するため。
もしかしたら「緑の軸にもマッチするかも?」という期待を持って「シルバー」を選択してみたのだが、やっぱり「SMART-GRIP」を装着するなら、暗い色の軸のほうが似合うようだ。
「フリクションボール3/4」、あるいは「ジェットストリーム 4&1」を使っている人で、グリップの感触に納得がいってないのなら、この「SMART-GRIP」の購入を検討してみるといいと思う。うん。