こんなん書きました。

日々の雑感をつらつらと。あるいは手に入れたアイテムのオススメなポイント、運用方法などをご紹介してみたり。

NASA御用達、なのかな? 無重力下でも書けるボールペンのこと。

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ひさびさに封書の宛名書きを三菱鉛筆uni「POWER TANK 1.0mm」で。
 
重力によって下へ垂れようとするインクをペン先のボールで受けて転がりながら紙へと乗せていくボールペンは、アタリマエではあるけれど、上向きだったり、無重力下では書き続けられない。
さすがに無重力でボールペンを使う人はかなり限られるだろうが、垂直、あるいはやや上向き、なんて状況でボールペンを使うっていう状況は、意外とありそうな気がする。
実際、ある程度の需要はあるのだろう。
上向きだろうが無重力化だろうが書き続けられるボールペン、というのが存在する。
それが、三菱鉛筆のuniブランドから出ている「POWER TANK」というシリーズだ。
 
ボールペンは前述のようにインクの送りに重力を使うため、インクが詰まったタンク部分の後方は解放されている必要がある。
空気が入り、気圧がかかることで、重力がインクをペン先へと押しやるのだ。
ところが、「POWER TANK」シリーズのインクは密閉されたタンクのなかに充填されている。
タンク内には3000hPaという高圧に保たれていて、インクはその圧力でペン先のボールへと強制的に押しやられている。
だから、上向きだろうが、無重力下だろうが、インクが途切れることなく書き続けられる。
 
タンク内が加圧されているというこの仕組みには、実はほかにもいくつかのメリットがある。
何かのトラブルでタンク内の圧力が抜けてしまった場合を除くと、加圧されたタンクのおかげで、インクの残量があるのに途中で書けなくなることがない。
それと、もうひとつ。
加圧されたインクが際限なくペン先から溢れてしまわないようにする機構がサスペンションのように機能するのか、はたまた粘度の高いインク故か、書き味がえらくヌルヌルと滑らかなのだ。
特に1.0mmの太字なタイプのヌルヌル感はとても心地よい。
このヌルヌル感は、「Acroball」よりも明らかに上。
さらさらとした書き味の「JETSTREAM」とはまた違う方向のひとつの頂点にあると思う。
 
「POWER TANK」では、「JETSTREAM」や「Acroball」など最新の製品では気にならない、ボールペン特有の現象とも言える書き出しのカスレが若干目立つあたりに世代の古さが感じられるような気はするが、トータルとして見た書き味の前には些細な話。
もう何年も前から売られ続けているうえ、これだけ優秀な書き味を持つのにメジャーな存在になれないのは、構造上、多色ペンが実現できないせいではないかと思っている。
ちょっと大きめのお店に行かないとなかなか置いてないんだよね。
が、見かけたらぜひ試し書きでもしてみて欲しい。
「JETSTREAM」のサラサラ感が苦手な人なら気に入ると思う。